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引き出しの鍵

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少し前の事、ふと思い出した古い風景。
「あれ~、誰だっけな~」。
12~3年ほど前に仕事関係で付き合いのあった人の名前が憶えだせない。
「熊崎さんでしょ、酒井さんでしょ、で、、、え~と、シロ、シロ、、、」
周辺にいる人々の名前はすぐに出てくるのに、その人だけ思い出せない。
「まあ、歳ってことかな~」。
その場はどうしても思い出せず、気持ち悪い思いのまま終わったのだけれども、別のある日。

街中で、すぐ前を歩く女性の後姿。
あの人もあんな髪型してたよなあ・・・「あ!城戸(キド)さんだ!」。
数日間の気持ち悪さがなくなった瞬間でした。

僕にとって城戸さんを思い出す引き出しの鍵は「髪型」にあった訳ですが、そもそも、ヒトの記憶には「主記憶装置」と「補助記憶装置」の2つがあり、いつもは使わない記憶はサブに押し込まれ、段々思い出せなくなり、そして、そのうち忘れてしまうそうです。

さて、これは生活・経験上の記憶の(またはド忘れの)お話しですが、
「学習」上の記憶の話でいくと、学習に関連する記憶は調べてみると、主に「意味記憶」と「エピソード記憶」とあります。

また、この「意味記憶」と「エピソード記憶」は「海馬」に関係があり、側頭葉から海馬に入った情報は、約1ヶ月ほど海馬に留まり、そして再び側頭葉に戻り、そこで「記憶」されるとあります。(この辺りから、記憶・知識ではなく、、、投げ売りです。。。)

300px-Hippocampus

図1海馬(赤)Wikipediaより。

知識や情報が「記憶」として定着せず、途中で消え去ってしまうのは、この情報の流れ、電気信号(シナプス電位)がうまく伝わっていかないからとも。

[ 興奮性細胞(神経細胞)内での伝道とシナプス伝達 ]

しかし、ただ何もせず、情報の流れに「身を任せて」いるのと、「そうでない」のに違いがあることは皆さんもよくご存じですよね?

「そうでない」

そうです。一端取り入れた知識・情報を「復習」することによって、記憶としての定着率が高まります。

直ぐに忘却してしまっていると思っている知識・情報も、「海馬」には1か月程度は留まっているとのことですから、この1か月の間に「復習」することによって、情報が整理され、記憶として定着されやすくなるんだとか。

また、復習の効果は「同じ対象に対してのみ有効」とありますので、同じ教材やテキストを何度も繰り返すのが効果的なんですね。

さて、最後は無理やりですが、、、

皆さんに活用して頂いているオンデマンド講義。通常は講義室で対面で行われる講義をネット上で受講できるようにしたメリットは幾つかありますが、そのひとつは「何度でも繰り返し学習できる」こと。

学期内であれば、何度でも繰り返し見直す、学習し直すことができますから、引き出しの鍵がいつでも取り出せるように、国家試験指定科目などで十分に活用して頂ければと思います。

もちろん僕も・・・「城戸・城戸・城戸」。
たまに復習しています。

西村達也


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